コイルのインダクタンス値をLという記号で表します。
d電流/dτ=電圧です。
交流電源をコイルに流したときに電流をIとして、インダクタンスをLとします。
今迄通り、出力電圧をVdと表します。
そのときのVdはVd=LDI≡L(dI/dτ)です。(Dは今まで通り微分演算子です)
これを理想的な微分回路にしようとして鉄芯に捲かずに捲き数を増やすと電線が長くなります。
電線が長くなれば抵抗値が無視できないほどかさんでしまいます。
Vd=L(dI/dτ)-RI となってしまいます。
つまり出力電圧がRIぶん低くなってしまいます。
そこで、どこのどなたが考え出したのかは知りませんが、アイキャッチ画像の図のようにコイルの抵抗値を打ち消し合う回路がありました。
この回路を説明しますね。
交流電源から電流Iが流れ出して端子bへ流れ込みます。電圧はViをかけています。
電流はb端子で左右に分かれますが左右の抵抗値とインダクタンスは等しいのでIは半分づつI1(アイいち)とI2(アイに)に均等に分かれます。
このあとは最初の話の問題点の解決を工夫した話になります。
最初の問題をぶり返しますと、微分波形を直線に近づけるためだと思うのですが、コイルの電線を鉄芯に捲くのをやめるとインダクタンスを稼ぐには不利になります。
そのぶんを挽回しようとして電線を捲く数を増やすと電線が長くなります。
電線が長くなると抵抗値は増えてしまいます。
抵抗値が大きくなれば出力電圧は低下します。
ここまでの話をさきほどのVd=L(dI/dτ)-RI にあわせて書きなおしますと・・・・
電線をたくさん捲いて無視できなくなった抵抗値を小文字のr(アール)で表しますれば・・・・
図のxy間の電圧=RI2-rI1-L・dI1/drです。
しかしその横の抵抗Rの抵抗値をrオームのものを使いまして、電流値をI1=I2=I/2に調整しますと、Vd=(dI/dr)になります。
しかもコイルの電線が長くなったことで表面化したはずのrの影響が全く無いことになります。
これが「打ち消し合ったご利益」だということです。
どこのどなたか存じ上げませんけど、これを考えた人はえらいと思います。
ちょっと風変わりな微分回路のご紹介


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