真空管については最近あまり見ませんが、今の半導体みたいに重要な部品でした。

私は8年半前に認知症が進んでしまい、食べ物をノドに詰まらせたり、散歩に出かけて帰り方がわからなくなったり、さんざんでした。
これは何んとかしなくちゃと思ったので人に相談したところお医者さんは「もうその歳だからしょうがないよ」とおっしゃる方もいれば「うちでゴロゴロしてテレビ見てコンビニ弁当ばかり喰って寝てるんじゃ、そりゃ認知症にもなるよ。 人とお話をしなさい」という実に良いアドバイスをくださるかたも居ました。
さっそく人との会話を求めて上野広小路を歩きました。
キャバクラがあったらキャバクラのお嬢さんと会話を楽しむことで治療効果があがるだろうと思ったからでした。
 さっそく客引きのお兄さんが寄ってきました。
「いま無料体験授業をやっています。いかがですか?」と言うなり一緒に歩いてくれました。
ついたところは汚い小さなビル。
上がっていくとそこは中国語教室でした。
そこで中国から日本へ留学に来ている女の子の先生にお世話になりました。
中国語などまったく知らない私でしたが20分間の体験授業で親切に教えてもらったため末期高齢者で人生の先がほとんど無い私は「認知症の治療のために中国語を勉強するということにかこつけてここへ通うぞ」という決意が固まりました。
たしか入門コースが65000円ぐらいでしたが、キャバクラへ行くつもりでしたから財布にはもうちょっと入っていたので迷うことなく入学手続きをしました。
先生といっても留学生の女の子ですから小中学校で見た怖い先生がたとは全く違いました。
(私は学歴がそれしかないから、やさしい先生というものをあのときまで知らなかった)
そして通い始めてすぐに駅で背骨を折ってしまいました。
先生に電話すると助けに来てくれました。
そして先生と中国人仲間の大連出身の女性が私にお願いごととして「宿舎の洗濯機が汚いので洗濯をさせてください」というので、うちの洗濯機を使ってもらうことにしました。
これを読んでくださっている皆さんには何を言っているのかわからないでしょうけど、2年間ぐらいの間にいろいろあって、その中の2つだけを書いたので、話が飛んでいるだけです。
先生たちはその後、中国へ帰国されました。
私はさみしいので中国へ渡りました。
中国でもいろいろなことがありましたが、真空管と関係する話はひとつです。
大連出身のお嬢様のお父様はモリブデン鋼の鉱山のえらい人だと聞きました。
「モリブデン鋼??? どこかで聞いたことがあるなあ・・・」と思って記憶をたぐると、あれは代々木中学に通っていたころに技術家庭科の授業で習った真空管の内部構造に使われている高熱に耐える金属であることを思い出しました。
モリブデン鋼はジェット機やロケットのエンジンにも使われていました。
でも石川島播磨重工業さんがセラミックで軽くて丈夫でメンテナンス回数も大幅に減らせる材料での部品を開発したというニュースを見ました。
せっかくモリブデン鋼という希少金属鉱山のえらいかたとお知り合いになれると喜んだのもつかの間、世の中はモリブデン以外の材料で高熱に耐える部品を作れるようになってしまっていることを知りました。
 ・・・というわけでアナログコンピュータにもデジタルコンピュータにも一時期たくさん使われた真空管のお話をちょっとだけ書かせていただきます。

 真空管のことを教える教科書には、どれも私の手描き画像のような図や説明があるはずです。(真空管の教科書や本を見たことがないから私の思い込み違いかもしれません)
違いがあるとすれば私はモリブデン鋼に偏執的なこだわりを持って図を描いたことぐらいでしょうか。
 手描きの図の左上のヘタな絵は真空管の中でも私が持っていた携帯ラジオの中で使われていたMT管と呼ばれる種類のものを適当にスケッチしたものです。
MT管であろうがST管であろうがGT管であろうがなんだろうが真空管は金属を熱してそこから飛び出す「熱電子」という電子を陽極で素直に受け取るのではなくて陰極と陽極の間にアミを入れてそこに電気を通して電子の動きをいろいろコントロールし、それでいろいろなことを実現するための部品です。
材料は「熱せられるとその物質が分解されてそこから電子が飛び出しやすい」もの。
それを囲うものはモリブデンのような「高温に耐えるもの。」
熱するヒーターは「小さな電力で効率よく熱が出る材料」を使っています。
「電子放出密度」という用語があります。
1平方センチあたり何アンペアぐらい出るかが真空管の性能を左右します。
とくに小さな真空管のMT管(ミニチュア管)やSMT管(サブミニチュア管)では効率よく働いてもらえて、しかも狭い筐体のなかで充分に働いてくれる真空管でなければなりませんので、こういう分野を勉強し、研究する「電子管工学」という分野がありました。
 
 真空管の部品はガラス管、ソケット、陰極を構成するタングステン、フィラメント電熱線、ヒーターを囲うモリブデン鋼など高熱に強いもの。そして酸化バリウムなどの電子放出部品、更に陽極。そしてグリッド(格子)。
更に重要なゲッタという真空管内部にたまる余分なガスを吸収する膜。
こんな部品で構成されている真空管の基本の基本として次回は2極管と3極管について解説します。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • あれ? お医者さんにキャバクラ行くように進められたと聞いたような(笑)

    • 松之内豊に勧められたんだよね。
      (よく間違えられるらしい。私も間違えた)

コメントする

目次