ケルヴィン男爵さんの積分器を機械式ではなく電気回路でやると・・・

昭和30年代に公立中学に通っていた人なら、この回路は中学の技術家庭科で積分回路として習ったはずです。
コンデンサ(Cと書いてある平行棒)に直流電流が流れ込んで溜まっていくのを過ぎゆく時間t秒について積分するとそのときの電圧eを表す式ができるというわけです。
e=1/C∫i・dtという式になります。
(∫記号は「インテグラル」と読みまして、積分記号です)
この式の形は前回のケルヴィン男爵さんの機械式積分器の式W=1/R∫U・dVにそっくりですよね。
Wがeに、Uがiに、Vがtになっただけです。
ならば一生懸命に円盤を垂直にくっつけてぐるぐる回して分度器をあてて角度を測るよりは電圧計や電流計で計るとかオシロスコープで見るとかできる電気式のほうが良いですよね。
思えばあのころ、日本の世の中で電子計算機と言えばアナログコンピュータ(またの名をアナコン)でした。
 デジタルコンピュータが盛んになってからずいぶん過ぎた昭和の終わりごろ、まだこの仕組みが残っていました。
岩手県競馬組合盛岡競馬場(当時は盛岡市内のバス停留所「三高前」のところにありました)で内馬場の電光掲示板(オッズや着順・配当金などを表示)がダウンしたことがありました。
馬たちが発馬ゲート付近でスタート待ちの輪乗りちゅうに起きたため第8競走が遅れてしまい、盛岡の競馬ファンの皆様にたいへんご迷惑をかけました。
あのときの原因がこの回路の容量リアクタンス異常だったことをおぼえています。
この障害に関する技術的内容はトータリゼータシステムの記事を書くときに詳しく書きます。
デジタルコンピュータシステムなのにアナログコンピュータをそこここに入れていた時代は昭和の終わりごろまで続いたのでした。

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